プラスチックなどの廃棄物を焼却処理した場合には、大量の熱と二酸化炭素を発生させることになります。熱回収はサーマルリサイクルとも呼ばれており、プラスチックなどの廃棄物を焼却した際に発生する熱を有効活用する方法です。日本では再製品化や燃料化などと同じようにリサイクルの一種として考えられていますが、EUではエネルギーリカバリーと呼ばれて区別されています。プラスチックにはポリエチレンやポリプロピレンなどの種類がありますが、リサイクルするためには分別しなければなりません。

特にポリ塩化ビニルは燃やすと猛毒のダイオキシンを発生させてしまいます。外見上はどの種類のプラスチックも同じであり分別が困難だったため、以前の日本ではプラスチックの埋め立て処分が広く行われていました。近年ではポリ塩化ビニルの分別方法やダイオキシンを発生させない燃焼方法が確立され、熱回収が行われています。プラスチックは石油から作られており石油や石炭と同じ発熱量を持っているので、火力発電所などで燃料にすれば原油の消費量を削減できます。

石油や石炭を燃料として使うと二酸化炭素を発生させるため、地球環境に大きな影響を及ぼしてしまいます。しかし廃棄物となったプラスチックなどで熱回収を行えば、石油や石炭の消費量を減らせるため二酸化炭素の排出量を削減できるというメリットがあります。世界中で資源の枯渇や地球温暖化が懸念されていますが、熱回収によって資源の浪費や地球温暖化の進行を防ぐことができます。企業の工場などでは資源の消費量を減らしてコスト削減を図れるので、日本でも広く熱回収が行われるようになっています。